世界は見えないネットワークつながっている記事一覧

バズとは商品やサービスについての様々な会話・コメントのことである。人々は毎日、色んな商品やサービスについて直接あるいは電話で会話し、インターネットの掲示板やブログ、フェイスブックやグーグルプラスなどに熱心にコメントを書き込んでいる。これらが「バズ」と呼ばれるモノで、良いバズが発生する商品やサービスは売れるし、悪いバズが発生すると、その商品やサービスは売れなくなる。ではこのバズは、いったいなぜ発生す...

「バズ」とは商品やサービスについてのおしゃべりやコメントのことを言う。バズは元々「ハチのブンブン言う音」であり、それが転じて「ガヤガヤ」や「うわさ話」などの意味に使われている。ではなぜバズが発生するのかというと、「クチコミはこうしてつくられる」という本には、6つの理由が挙げられている。まず1つ目は、人間は群れで暮らす生き物で、エサを見つけたり危険を感じたら、すぐに仲間に知らせる本能があるのだという...

人間はネットワークの中で生きている。ネットワークというのは簡単に言うと、網目状の人と人とのツナガリのことだ。人間はこのネットワークを使って、様々な情報のやりとりをしている。たとえば親子3人の家族を例にとると、父親と母親とのツナガリがあり、父親と子供とのツナガリがあり、母親と子供とのツナガリがあって、3角形のネットワークを作っている。だから子供は父親に直接言いにくい時、母親を通して言ってもらったりす...

人間は、たくさんの人とのツナガリの中で生きている。物心が付くまでは、親兄弟や近所の人とのツナガリの中で育ち、物心が付いてからは、教師などの大人や同年齢の友達とのツナガリの中で成長する。ツナガリが密な塊をクラスターと呼ぶが、家族クラスターと地域クラスターが子供時代に属するクラスターであり、生活範囲の殆ど全てである。なので家族クラスターや地域クラスター内での情報は、生存のための情報であり、子供にとって...

クラスター内で発生したバズ(うわさ)は、別のクラスターには、なかなか伝わらない。というのもクラスターが異なる集団では、バズを説明するための前提知識が、ほとんど共有されていないからである。たとえば「SKE48の松村香織が…」と言えば、SKEファンやAKBファンには話が通じるが、これらのクラスターにいない人には「SKE48ってなに?」「松村香織って誰?」となり、まずそこから説明しなくてはいけなくなる。...

バズ・ハブ(buzz hubs)とは、クラスター内に情報を広める人のことである。ハブというのは元々、ネットワーク上で情報が集まって出て行く部分のことなのだが、クラスターの中にもそういうタイプの人がいて、情報を様々な人に広めてくれる。彼らは自分で情報発信するわけではなく、メイヴン(情報通)が発信した情報を、色んな人に紹介してくれるタイプの人だ。つまりメイヴンが発信→バズ・ハブが拡散…という風に情報が...

バズ・ハブとは、クラスター内での情報拠点となっている人のことだ。町内会のとりまとめ役だとか、趣味のサークルの世話人みたいな人だと思えば良い。ではどんな人がバズ・ハブになるのか。バズ・ハブとはどんな人なのか。「急に売れ始めるにはワケがある」という本には、どういう人がバズ・ハブになっているか、ある方法で調べてみた話が載っている。その方法とは、様々な人に地域の電話帳や、所属企業や学校、業界団体の名簿を見...

バズを生み出すメイブンや、バズを広めるバズ・ハブ、コネクターは、職業や年収、容貌に特徴はない。共通点があるとすれば、彼らは普通の人より活動的で、積極的に情報発信することだ。特にメイヴンは、早期採用者で、外出や旅行をする傾向が強いという。早期採用者というのは、新しい商品やサービスが出たとき、比較的初期にそれを取り入れる人のことだが、特定の分野の専門家や情報通であるメイヴンは、「とにかく使ってみる」「...

ネットワーク論で有名なのが、「スモールワールド現象」である。友達の友達をどんどん図示していくと、ツナガリの線は世界中に広がっていき、巨大ネットワークになることは、想像に難くない。では世界中に広がるネットワーク上からランダムに2人の人間を選んだとき、片方の知り合いからたどっていくと、もう一方に辿り着くまで何人かかるのだろうか。これはネットワークの最短距離を求める問題だが、おそらく数十人の知り合いが、...

バズ・マーケティングの背景になるネットワークについての基礎知識。「クチコミはこうしてつくられる」に載っている「ネットワークの10の原理」を参照しながら、ここで少しまとめておこう。まず第一は、ネットワークは目に見えない。他人が誰とつながっているかというのは、殆どわからない。ある人が誰とつながっていて、誰からの影響を受けているのかはわからない。自分と直接つながっていて、毎日のように会っている人のことは...

江戸時代まで、大多数の人間は、生まれた土地にずっと住み続けていた。江戸や大坂、京都などの商業地域では、多少の違いもあっただろうが、当時の日本人にとっての生存空間は、生まれ育った地元だけであり、狭い地域クラスターが所属クラスターだった。この狭い地域クラスターのメンバーは、何代も前から全てが知り合いであり、知り合いの知り合いも殆どがその土地に住む者で、非常に固定的なクラスターであった。ところが徐々に人...

中国や韓国などの血縁社会は、血のつながった同族が団結し、助け合って生きる社会である。助け合って生きる社会と書くと、なんかものすごく良いようにみえるが、これは掟であって、抜けることは許されない。つまり自分の姓を変えることはできないし、他姓の者より自姓の者を優遇しなければならない。血縁社会では、一族の利益を優先するのが「人の道」であり、身内と他人を平等に扱うことなど言語道断である。だから血縁社会は、血...

地縁社会というのは、血縁社会と違って能力や責任を問われる社会である。血縁社会では、血がつながっていれば、助け合わねばならない社会であるから、能力や責任感がないという理由で、一族を追い出されることはない。一族に成功者や金持ちがおれば、そこへ行って世話になれば良い。「異姓養わず」(他人の面倒は見ない)とは言うが、同姓は養わねばならないからだ。しかし地縁社会では、能力や責任を問われるし、責任を果たさなけ...

血縁社会も地縁社会も、かつては「生きるための共同体」であった。血のつながった者同士や、同じ地域に住む者同士で、協力して助け合わねば生きていけなかったから、様々なルールが発明され、定着していった。ところが職業選択の自由や、移動の自由が認められると、地縁社会は急速に拘束力を失っていく。というのも、地域で結束する必要がなくなったからだ。何も生まれ育った土地で窮屈に生きなくても、自分で職業を選び、住む場所...

血縁社会や地縁社会、そして職縁社会を振り返ってみると、これらは「助け合いを強制する仕組み」である。血縁者を強制的に巻き込むのが血縁社会のやり方であり、地域や職場にいる人間を囲い込むのが、地縁社会や職縁社会のやり方だ。その基本的なやり方は、メンバーに他に行く選択肢がないことを利用して独自のルールを強制するというやり方だった。かつては属するグループにいるのが嫌だからと言って、他のグループに移ることは難...

職業選択の自由や移動の自由によって、伝統的な血縁社会や地縁・職縁社会の強制的なルールは通用しなくなった。職場が気に入らなければ、どんどん職を変えればよいし、独立することも起業することもできる。生まれ育った場所が気に入らなければ、自分に合った場所を探して引っ越せばよい。となると血縁も地縁も職縁も、もはや人々を縛ることはできない。人々は自分で自分に合った「縁」を選び、そこで生活することになるわけだ。そ...

自分で縁を選んで生きる多縁・連帯社会。多縁・連帯社会では、自分で縁を選んでそれを維持しなくてはいけないので積極的に縁を結ぶことが求められる。ではどのように縁ができるのかというと、一つ目は「似た者同志」である。似た者同士は縁ができやすいし、さらに集まってクラスターができやすい。テキストにも、ネットワークの原理(2)(3)として、「似た者同士は、結びつきやすい」「お互いに似た者はクラスターを作る」とい...

現代社会は、縁を選ぶ社会であり、つきあいたくない相手とは、別につきあわなくて良い社会である。学校や職場などでは、いじめやパワハラが問題になるが、逃げられないわけでもなんでもなく、悪縁はさっさと断ち切って、より良い縁を結び直せばよい。不登校だニートだというのは、古い血縁社会や地縁・職縁社会からの視点であり、無理に元の学校へ復学させようとか、サラリーマン生活をさせようという方がおかしいのだ。実際、たと...

現代社会は、外部とやりとりすることで成り立っている社会である。伝統的な地縁社会というのは、地域内に生活のための殆どがあり、外に出る必要がさほどなかった。今みたいに道路が整備され、トラックが毎日モノを運ぶわけじゃないので、生活物資が揃っている場所でなければ、そもそも集団で住むことはできなかったのだ。だからこそ人はそこから逃げられず、「強いツナガリ」に人は支配されていた。外の世界では自分の身を守っても...

伝統的な血縁社会や地縁・職縁社会は、閉じた社会であったから、誰がどこで何をしているのかは、周囲のモノに尋ねればすぐにわかった。ムラの中にいる人は全員顔が知られているから、ムラのメンバー全員に尋ねるだけで良かった。しかし現代社会は開放的な社会であり、自由に自分が付き合う縁を選んでも良くなった。さらにインターネットや携帯電話が普及したせいで、全く見ず知らずの人とも簡単に知り合えるようになった。なので誰...

バズ・ネットワーク(クチコミ・ネットワーク)で、ルーターのような役割をしているのがバズ・ハブで、バズ・ハブは面白い情報や有益な情報を知ると、それをドンドン周囲の者に伝える。それによってクラスター内に、様々な情報が広がるわけだが、外部世界とつながっているモデムに当たるのが、「コネクター」と呼ばれるタイプの人たちだ。テキストでは、ネットワークの原理(6)として、「ネットワークのハブはショートカットを作...