バズを広めてくれる人は、向こうからやってくる
バズを起こして広めるにはまず、バズが起こりやすいような商品やサービスを用意する事が必要だ。
そして商品やサービスが用意できたら、次は、バズを広げてくれる人に向けて、情報発信することが必要だ。
バズを広げてくれる人には、情報通のメイヴンだとか、クラスター内の知り合いが多いバズ・ハブだとか、別クラスターから新しい情報を持ち込むコネクターなど、色んなタイプの人間がいるので、彼らに情報を流せばよい。
ところが以前書いたように、「ネットワークの様子は見えない」ものなので、誰がこういうタイプの人なのかは判別しにくいし、特定するには莫大な費用もかかる。
となると誰に働きかければ良いか困るところであるが、実はネットワークのハブになる人は情報に飢えているので、向こうから情報を求めて近寄ってくるケースが多い。
つまりバズを広めてくれるような人は、向こうから企業の方に接近してくれているのだ。
ところが、バズについて知識のない企業は、彼らをうっかり軽く扱ってしまって、せっかくのチャンスを無駄にしてしまう。
彼らは根掘り葉掘り詳しい情報を求めてくるので、普通のお客様窓口だと上手く対応できないし、面倒くさいクレーマーだと判断して、対応を誤ってしまうのだ。
なので良いバズ・良い口コミを広めるには、近寄ってくる彼らに情報を提供したり、疑問や質問に答えるような場所を、あらかじめ用意しておく必要がある。
彼らは自社の製品やサービスについて周囲の人間に勝手に語ってくれる存在であり、彼らに情報を提供する窓口を作って丁寧に対応すれば、彼らはクレーマーではなく、心強い味方になってくれる。
バズを起こすには、詳しい資料が必要
自社の商品やサービスについて、クチコミしてくれる人は、自社の商品やサービスについて、特別な関心を持つ人たちだ。
彼らは情報に飢えているので、自分から情報を求めて、積極的に問い合わせをしてきたりする。
なので彼らをクレーマー(claimant)だと勘違いして、邪険に扱わうとバズが千里を駆けて、悪い評判が立つということも充分あり得る。
悪いバズは良いバズより何倍も早く伝わるので、顧客対応にはくれぐれも気をつけた方が良い。
また彼らは他にも雑誌やメディアから情報を集めたり、様々な展示会やイベントに参加したりして、他人より早く、他人より詳しく情報を集めようとする。
なので彼らが詳しい情報を手に入れられるように、イベントでは詳しい仕様書を用意したり、商品の画像撮影を許可したり、担当者に質問する機会を作ったりすべきだろう。
またホームページに詳しい情報を掲載しておいたり、良くある質問や、質問フォームも用意しておく必要がある。
これらは一見、販売促進にはあまり関係がないようなことのように思うが、バズを広めてくれる人に向けた情報提供であり、バズを起こすのに必要な資料なのである。
またこれらは、その後の顧客対応や問い合わせに対する返答の雛形にもなるし、早い段階での商品やサービスの改善にもつながるので、努々彼らからのアプローチを遠ざけないようにしなければならない。
今や国民的アイドルグループとなったAKB48グループも、個別握手会の際に毎回「支配人部屋」と称して、各グループの支配人が、ファンの質問に答えるスペースを設けたり、イベントでは衣装担当や映像担当のチーフが、さまざまな要望を集めたりして、改善に日々努めているね。