良いバズはなかなか広まらない
悪いバズ・悪いクチコミは、あっという間に広まる。
単なる悪口なら広まらないが、危険を知らせるような情報なら注意喚起だから、善意で拡散させる人も出てくる。
悪いバズが発生する原因は、商品やサービスが期待外れだった時で、購入前に想像していたモノと違っていた場合だ。
特に商品やサービスを売らんがために、メーカーや販売者・代理店などが誇大広告や誇大なセールストークを行ってモノを売ると、悪いバズが発生しやすいし、後々までずっと尾を引いてしまう。
たいていの人は売りつけられるのが嫌いだし、さらに大枚をはたいて買って使ってみるとガッカリさせられたら、嫌な感情が増幅して頭に残ってしまう。
一方、良いバズは残念ながら、山火事のように広まることは滅多にない。
なぜなら情報はクラスター内では広がりやすいが、他のクラスターに飛び火するには、時間がかかるからだ。
有名人や大手メディアに取り上げられれば、急激に広まると言うこともあるが、そこまで広まるには時間がかかるし、取り上げられてもメディアには情報があふれているので、そのバズが世間に広く広まることは滅多にない。
またメディアにはそれぞれ贔屓の情報と、あまり関心のない情報を選別するので、世間で流行っていても取り上げられないことも良くある。
競合製品がすでにあって、そちらでもバズが発生している場合は、お互いにクラスター内だけで広まって外に出ないということもある。
都市伝説はウソでも面白いから伝わる
バズには、真実もあればウソもある。
ホントっぽいウソもあれば、ウソっぽいホントもある。
一部だけが真実で、あとは面白おかしく尾ひれが付いている場合も多々ある。
面白い話は話す価値があるので、どんどん他人に話され、バズが伝わる。
たとえそれが全くのウソだったり、作り話だったりしても、広まる。
本当かウソかわからない都市伝説も、たとえウソでも面白いから伝わるのだ。
逆に言うと、面白くない真実は広まらない。
平凡な当たり前の話は、聞く価値がないからだ。
「放射能なんて、原発事故がなくても、普段から身の回りにたくさんあります」「バナナやジャガイモにたくさん含まれるカリウムは、0.01%が放射性物質です」…なんて話は、真実であっても面白くないから広まらない。
「放射能は怖い」「放射能は危険」と騒ぐ方が面白いから、怖い話と危険な話ばかり世の中に拡散する。
またコメントにエネルギーがあるかどうかも、バズが広まるかどうかを左右する。
たとえばアメトーークという番組で、人気芸人さんが熱く語る商品は買いたいと思うがお店の店員さんが熱心に勧める商品は買いにくい。
これは、芸人さんが「興味があるもの」について語っているのに対し店員さんは「売り上げノルマ達成」のために語っているからだろう。
定員さんやセールスマンには、売り上げの達成目標、いわゆる「ノルマ」があって、その達成のために商品を勧めている。
彼らにしてみれば、儲かる商品を売りたいので、お客さんのニーズに合っていなくても、お店側が儲けやすい利幅の高い商品を勧めざるを得ない。
言わば他人からそれを勧めろというふうに強制されて勧めているわけで、エネルギーが足りないのだ。
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