支配人部屋とは

AKB48が魅力的なイベントを次から次へと打ち出せるのは、ファンからの苦情や要望の中にある、貴重なアイデアやヒントを根気よく拾い続けているからだろう。

 

AKB48の運営事務所はもともと素人集団だったが故に、ファンに教わりながら運営を行ってきた。

 

秋葉原48劇場のカフェスペースで、秋元総合プロデューサーらが、ファンから直接話を聞いていたという話は有名だし、今でも年20回以上ある握手会イベントで毎回、「支配人部屋」というスペースを設け、苦情や要望を支配人が直接受け付けている。

 

支配人とは、AKBグループの劇場支配人で、東京の秋葉原、名古屋の栄、大阪の難波、福岡の博多にある劇場の統括者のことであるが、彼らは握手会が始まると、特にやることがなく時間ができるので、「支配人部屋」と称したスペースを設け、ファンから直接苦情や要望を受け付けているのだ。

 

そしてイベントが終わったら会議を開いて、寄せられた苦情や要望にどう対処するかを決定し、その結果をすぐに公式ブログを通じて公表している

 

こういう風に、自分たちの苦情や要望に取り組んでもらえると、ファンもドンドン色んな意見を出してきて、より建設的で前向きな意見が飛び交う。

 

そしてその中から様々な新しいイベントのヒントが生まれ、いくつかが形になって実現するというわけだ。

 

もちろん苦情や要望の中には、言いがかり的だったり実現不可能なモノもあるだろうが、向こうからやってくるメイヴンやバズ・ハブをクレーマー扱いして遠ざけるような事を、AKBはやっていないのは確かだろう。

 

そしてまた、この支配人部屋が開催される個別握手会イベントそのものが、大量のバズを発生させるイベントになっている

 

今やミリオンヒットを連発するAKB48だが、このAKB48をここまで大きくしたのは、握手会イベントだと言っても過言ではないだろう。

 



AKB48 躍進の秘密は、個別握手会

AKB48の握手会には、全国イベントの全国握手会(全握)と、日時とメンバーを指定して握手できる個別握手会(個握)がある。

 

後者の個別握手会の人気は凄まじく、幕張メッセや東京ビッグサイト、西武球場などの会場に、毎回数万人ものファンを集めるビッグイベントになっている。

 

この個別握手会に参加するには、CD発売の1ヶ月以上前から、握手する日時とメンバーを指定して「劇場版」と呼ばれるCDの購入を申し込むのだが、人気メンバーともなると、一人で8000枚ものCDを完売してしまうから凄い。

 

さらにそんな人気完売メンバーが3~40人もいるんだから、出す曲、出す曲、ミリオンヒットになるのも当然だ。

 

このイベントをここまで大きくしたのは、個々のメンバーの努力の積み重ねとバズ(クチコミ)である。

 

というのもこの個別握手会は、様々なバズが大量に発生するイベントでもあるからである。

 

個別握手会では、握手券1枚あたり7~10秒弱の時間が与えられる。

 

この7~10秒弱の時間に、メンバーとファンの間で、ちょっとした会話を交わすことができるのだ。

 

そのときに、メンバーの対応や反応が良いと、ツイッターやSNSを通して、ファンの間ですぐにウワサになる。

 

逆に対応が悪いと、それもファンに知れ渡ってしまう。

 

あのメンバーは、ずっとニコニコして握手してくれた。

 

あのメンバーは、ずっと黙ったままで愛想が悪かった。

 

あのメンバーは、この前は良かったけど、今日は塩対応(しょっぱい対応)だった。

 

握手会が終わる頃には、そんなバズが山ほど発生し、良対応のメンバーには、次回のイベントで申し込みがどっと増えるのだ

 

NEXT:個別握手会は、バズを発生させる仕組み


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