感情的な反応をかき立てる製品

バズを利用するにはまず商品やサービスをバズを生みやすくしておく必要がある。

 

バズが発生しにくい商品やサービスで、バズを発生させようとしても無理である。

 

そして良いバズ(クチコミ)を生むのは、感染型製品だという。

 

感染型製品とは、製品自体に強い魅力があり、その良さを語らずにはおれないような製品のことだ。

 

製品自体に強い魅力があるなら、良いクチコミが起こるのはある意味当然だが、その「強い魅力」とは、一体何なのか。

 

クチコミはこうしてつくられるによると、この感染型製品には6つのタイプがあるという。

 

バズを生み出しやすい商品その1は、「感情的な反応をかき立てる製品」だという。

 

バズとは、自らの感動や興奮を、誰かに伝えたい衝動から起こるものだと考えれば、これはあまりにも当たり前だろう。

 

例として、小説や映画などが上がっているが、これらはもともと感情を動かすことを意図した製品だから、良い作品がバズを生むのは当然だろう。

 

そしてもう一つの例として上げられているのが、今まで面倒だった事が、簡単にできる商品だ。

 

「面倒なことが簡単に出来た!」というのは、意外に心を動かすモノらしい。

 

たとえば便利だと知ってはいても、操作が面倒なパソコンや、設定が面倒なソフトは使いにくい。

 

それが直感的な操作でつかえるパソコンや、インストールに10分もかかからず、すぐにつかえるソフトだったりすると、今まで他のパソコンやソフトで辟易してきたユーザーは、歓喜の声を上げて知り合いに紹介する。

 

色んな機能が付いているが操作が面倒なガラケー携帯から、直感的につかえるアプリが豊富なスマートフォンに、ユーザーが大挙して移動したのも、もっともな話だろう。

 

そしてスマートフォンのような、「実物を見れば、他人にも良さがわかる製品」は、感染型製品の第2のタイプになる。

 



自分自身を広告する製品

バズを生みやすい商品その2は、「実物を見れば他人にも良さがわかる製品」だ。

 

つまり、誰かがそれを使っているのを見ると、自分も欲しくなってしまい、手に入れると今度は、他人に見せたくなるような商品だ。

 

たとえば高級ブランドのバッグや時計などは、成功者の持ち物として自慢できるし、自慢された側も実物を見ると欲しくなる。

 

かわいい犬や猫も、見ると欲しくなるし、飼うと他人に見せたくなる。

 

こういうモノは「自分自身を広告する製品」であり、他人の目に触れることで話題になる。

 

テキストには、例の一つとして「車輪つきスーツケース」(トロリーバッグ、トロリーケース)が上がっていた。

 

スーツケースなんて、車輪が付いてるのが当たり前だと今の人は思うかもしれないが、昔は違ったのだ。

 

たとえば昔読んだ邱永漢(きゅうえいかん)さんの本に、外国人の老夫婦から、スーツケースを交換してくれないかと言われて交換したという話が載っていた。

 

昔はスーツケースに車輪など付いていなかったので、日本製の車輪付きスーツケースを見てビックリされたらしい。

 

スーツケースというのは元々、お金持ちの使用人だとか、ホテルのベルボーイが運ぶものであって、車輪など不要だった。

 

車に積むのも使用人やベルボーイで、部屋まで運ぶのも使用人やベルボーイだから、必要なかったのだ。

 

だから国産第一号のスーツケースにも車輪はなかったが、1970年代に日本で海外旅行ブームが起こった時、お客さんの強い要望で日本のエース社が車輪をつけたらしい。

 

なので当時はまだ外国には普及しておらず、重いスーツケース運びにウンザリしていた外国の旅行者が、ケースを転がしていた邱先生に声をかけたってわけらしい。

 

見知らぬ背の低い日本人夫婦に声をかけるくらいだから、よほど困っていたってことだろうし、商品に魅力があったって事だろう。

 

今では世界中で車輪付きのスーツケース(トロリーケース)やキャスター付きのトロリーバックが使われているが、こういう風に、実物を見れば良さがすぐわかるというのは、絶対的な魅力だね。

 

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