松村香織が情報を発信し続ける理由
グーグル・プラス(ぐぐたす)という情報発信ツールに動画を上げ続けた、SKE48研究生の松村香織。
怪しい動画を毎週(時期によっては毎日)、真夜中にグーグル・プラスに上げ続け、それが評判となって注目を集めた。
また、週刊プレイボーイ誌での連載企画では、毎週、SKE48メンバー1人をゲストに迎え、1時間以上、色んな事を話した動画をアップし、メンバーそれぞれの魅力をファンに伝え続けた。
コンサートなどのイベントがある際には、舞台裏の様子などをビデオで撮影し、それを編集してグーグル・プラスにアップしたし、自分の脱毛についても平気で公表し、バズを発生させた。
またイベントで何か事件が起こると動画で発言し、ファンに対しても平気で怒ったり、言い返して物議を醸したり炎上したりもした。
松村の場合は、性格的に自分の言いたいことは言わずにおれなくて、それを言ってしまうタイプだから、すぐにヒンシュクを買ったり炎上したりする。
がしかし彼女は、大人しくしていたからといって、自分にはチャンスなど回ってこないし、周囲にも利益がないのだということを、よく知っていた。
というのも3年以上、正規メンバーに昇格できずにいた彼女にとって「波風が立たない」は「埋もれてしまう」「クビ」を意味するから、ヒンシュクを買おうが炎上しようが、自分自身の存在をファンに認めてもらい続けるために情報発信をやめるわけにはいかなかったのだ。
これはビジネスやマーケティングにも当てはまることで、何ら情報発信をしない企業や組織は先細りになる。
話題にならないと、他人にとっては存在しないも同然だから、売り上げや業績が伸びることは望めない。
黙っていたら、人気が出るのか?黙ってたら、売り上げが伸びるのか?…と考えたら、そんなことが起こらないことくらい誰でもわかるだろう。
だからビジネスでは様々な話題作りをし続けるし、松村もそれと同様に、「選抜総選挙・立候補1番乗り」だとか、自分の頭の禿げをネタにして、様々な話題を提供し続けているだけなのだ。
個性が強い人は、バズ・ハブになりやすい
ビジネスでは、大人しくしていたからといって、勝手に儲かったりすることは滅多にない。
大人しくしている企業はやがて、情報発信を続けている企業に追い抜かれ、消滅せざるを得なくなるのが普通だ。
だから、どんな些細なことであっても松村のように「言葉」を発し続ける必要があるし、言葉を発し続けないと生き残れないのだ。
なぜなら、現代人が商品やサービスを購入する際に参考にする「クチコミ」すなわちバズは、「言葉」でできているからだ。
バズは言葉でできているからこそ、人から人へと伝わるし、インターネットを介して多くの人や様々なクラスターに伝わる。
印象や雰囲気などという、言葉にできないようなことは伝わらないのだ。
だから自社の商品やサービスについて、色んな人に知ってもらうために、伝わりやすい言葉と、伝えやすい話題を常に提供し続けねばならない。
そのためには、毎日・毎週・毎月、なんらかの情報発信を続けて、ユーザーに自社の存在をアピールし続けねばならないし、それをクラスター内のバズ・ハブに伝え続けないといけない。
そのためには、松村のような個性が強い人が必要だ。
というのも個性が強い人というのは、独自の価値観を持っていて、行動や言動がハッキリしているから、話題にしやすい。
話題にしやすいというのは、伝わりやすいということだから、それが広まって、関心を集めることができる。
事実、松村がグーグル・プラスでなんだかんだ始めると、それが30分後にどこかで引用され、2時間後にはyahooニュースに載ったりする。
「総選挙立候補1番乗り」や「終身名誉研究生」就任も載ったし、「アイドルだってピアスしたり、髪の毛染めてもいいじゃない」発言や、「脱毛に悩んでます」「高須クリニックで発毛治療」などという超個人的な話ですら、話題になって各サイトで取り上げられている。
個性が強い人はバズ・ハブになりやすいのだが、松村の場合はそれを超えて、今や「メガ・ハブ」となり、常に注目されるようになった。
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