簡単に使える製品は、より速く広まる
感染型商品の6タイプ、最後のタイプは「難しいことを簡単にできるようにした製品」だ。
「簡単につかえる製品は、速く広まる」と言い換えても良い。
テキストには、カメラの話が載っている。
かつてカメラは非常に使いづらい製品で、なかなか普及しなかった。
というのも撮影から現像・プリントまで、全部自分で行わなければならず、現像やプリントのための機材や薬品、暗室まで自分で用意しなくてはならなかった。
つまり写真を撮ってプリントするというのは、非常にハードルの高いモノだったからだ。
なので一般の人々に普及するのが遅れ、人々がカメラを気軽に使えるまで60年もかかったのだという。
そこでコダックは、写真の現像とプリントを自社で行う体制を整えた。
面倒な現像やプリント作業は外注サービスでできるようにして、「撮影してそれを送るだけ」でよいということを訴えてカメラを普及させたのだ。
こういう風に簡単に使える製品は簡単に使えるだけでなく、知り合いに製品を説明する場合も、簡単に説明できるという利点がある。
簡単に説明できるからクチコミしやすいし、それを聞いた人も他人に伝えやすい。
「難しかったことが簡単にできる」というのは感情もかき立てるし、写真は「足跡を残す商品」でもあるので、バズが発生しやすい条件がいろいろ揃ったんだな。
感染型製品の6タイプ・まとめ
- 感情的な反応をかき立てる製品
- 実物を見れば、他人にも良さがわかる製品
- 足跡を残す製品(プリクラなど)
- 複数の人間で利用するのが前提の製品
- 従来品と互換性のある製品
- 難しいことを簡単にできるようにした製品
感染型製品の6タイプ・まとめ
バズつまりクチコミが起きやすい6つのタイプの製品についてまとめておこう。
まず第一は、感情を揺さぶることを目的とした商品やサービスで、小説や映画、アトラクションなどが当てはまる。
感情が動かされると、それを他人に伝えたくなるのでバズが発生しやすい。
二つ目は、実物を見ると、すぐにその良さがわかる商品やサービスで、ブランド品や車輪付きスーツケースなど。
見ると自分も欲しくなるような商品だと、自慢できるから、バズが起こりやすい。
三つ目は、足跡を残す商品やサービスで、カメラやプリクラなどが当てはまる。
撮った写真やプリクラは、行った場所や、一緒に行った知り合いについて話したりすることでバズが発生する。
このほかにも、他人に伝言を残せるサービスも、足跡を残す商品だ。
四つ目は、複数で利用するのが前提の商品やサービス。
ゴルフや麻雀などのゲーム、SNSなどのインターネットサイト、共同購入などの仕組みなどが当てはまる。
これはメンバーを集めることが必要だから、積極的にメンバーを集めるためにバズが発生する。
五つ目は、従来品との互換性がある商品やサービス。
これは、互換性がないとバズが伝わらないという話で、全く新しい画期的な商品やサービスがなかなか売れないのと同様の話だ。
最後は、難しかったことを簡単にしてくれた商品やサービス。
使いたくても、様々な機材が必要だったり、技術が必要だったりすると、使えないので広まらない。
それが簡単にできるようになると、人に伝えたくなるのでバズが発生する。
これらの性質は排他的ではなく、同時に性質が備わっているものもある。
複数の性質を持つ商品は、当然ながらバズが発生しやすい。
NEXT:情報通メイヴンは、向こうからやってくる