足跡を残す製品
バズ(クチコミ)になりやすい商品は、感染型製品で、6タイプあるという。
その第一は「感情を動かすモノ」、第二は「実物を見ると良さがわかるモノ」だった。
感情を動かすモノとは、小説や映画などのエンターテインメントや、今まで難しかった事を簡単にするような商品。
また実物を見ると良さがわかるものとは、高級ブランドの商品だとかペットだとか、車輪付きスーツケースのように、見ると魅力を感じたり、便利だとすぐにわかるものだ。
このタイプは若者向け商品に多いと書いてあるが、高齢者だって、車輪つきスーツケースのように見れば思わず欲しくなるような商品はたくさんあるだろう。
さて、感染型製品その3は「足跡を残す製品」だ。
足跡を残す製品とはどう言うものかというと、たとえば「プリクラ」だ。
プリクラとは、95年の夏にゲームセンターに並べられ、1997年に全国的に大ヒットした「プリント倶楽部」の略で、切手くらいの大きさの写真シールがたくさん作れる機械である。
当時は友達や彼氏と写真を撮ってシールを作り、それをベタベタ文房具やノートに貼るのが流行った。
実は99年にアメリカでもポラロイド社が、切手大の写真シールを作れるカメラを作って販売したのだが、やはりヒットして、若者たちは知り合いと取った写真シールを本やノートにベタベタ貼っていたらしい。
最近は、スマートフォンでプリクラ的な画像は簡単に撮れるし、SNSに簡単にアップできてしまうので、一時のような勢いはないのだろうが、まだまだ人気のようだ。
プリクラは、楽しいひとときを写真シールとして残す商品で、これが「足跡を残す製品」ということらしい。
シールを見て「あの時は楽しかったなあ」と思いだし、そのときの話で知り合いと盛り上がるための商品だね。
利用者が増えれば増えるほど便利になる製品
感染型商品その4は、「利用者が増えるほど便利になる製品」だ。
これは相手を必要とするコミュニケーションツールとか、共同購入によって価格が安くなるような商品だという。
一人でやるゲームなどは、一人で完結してしまうから、知り合いに参加を呼びかける必要がないが、仲間とやるタイプのゲームでは、仲間を呼ばないと出来ないから他人に働きかける。
たとえば麻雀なんかもそういったゲームで、4人でやらないと面白くないから、4人以上の人に声を掛ける。
モンスターハンターなどのビデオゲームも、4人でパーティを組んでゲームをするので、パーティを組む4人を集めるために声を掛ける。
呼びかけるには、ゲームの面白さをアピールしないといけないので、そこで「良いバズ」が生まれるというわけだ。
またfacebookやLINEといったインターネット上のコミュニケーションツールが爆発的な成長を遂げたが、これも知り合いがいないと成立しないツールだ。
色んな人が「友達」としてツナガリ合えば、様々な情報を持ち寄ってくるため、友達が増えれば増えるほど、様々な情報が入ってきて便利になる。
なのでユーザーは積極的に知り合いや友達を誘ったり、あるいは友達になってくれる人を探す。
またグーグルのSNSである「グーグル+」(通称:ぐぐたす)では、AKB48グループの中学生以上のメンバー百人以上が参加していて、たくさんのファンを集めているが、こちらも様々なバズの発信源になっている。
ぐぐたすでは、メンバー一人一人が思い思いに画像を載せたり、動画を載せたりと毎日様々な情報発信をしているのだが、時には問題発言があったり、時にはネタばらしがあったりして、ファンやネット・マスコミにとっては目が離せないツールに育っている。
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