プリクラは、色んな面でバズを生みやすい商品だった
バズを生みやすい「感染型商品」のタイプ。
その(3)は「足跡を残す製品(プリクラなど)」、(4)は「利用者が増えるほど便利になる製品」だった。
プリクラは、友達や彼氏と写真を撮って、切手大のシールにしてくれる機械だが、それをノートやケータイ電話に貼って、友達同士で見せ合うのが流行った。
今でこそこんな事、ケータイで簡単にできる事だが、携帯電話で画像を撮ってメールで送る「写メール」が初めて登場してヒットしたのは2001年のことで、プリクラが流行った1995年頃はまだ、カメラ付き携帯電話などなかったのだ。
当時は写真をプリントするのに1日以上かかったので、写真を撮ってすぐにシールを作れて、ノートに貼れるというのは画期的だった。
プリクラは、「面倒なことを簡単にした製品」でもあり、「実物を見れば、他人にも良さがわかる製品」だったから、あっという間に広まったのも納得できる。
一方、「利用者が増えるほど便利になる製品」としては、共同購入やゲーム、フェイスブックやグーグルプラス、LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などが挙げられている。
複数で行うことが前提の共同購入やゲーム、他人と知り合うためのツールであるSNSは、もともと他人を必要とするモノだから、面白いモノがあれば知り合いを誘うために、様々なバズが発生するのは当然だね。
互換性がない製品は、語りようがない
感染型商品その5は「従来品と互換性のある製品」だ。
というのも互換性がない製品だと、良さを語っても相手に伝わらないからだ。
たとえばデザイナーの多くはアップル社のマッキントッシュ(マック)のPCを使っている。
だからデザイナーの間ではマックのPCや、マックのアプリについては語られるが、ウインドウズPCやウインドウズ用のアプリケーションの話は語られない。
こういう風に、あるクラスター内に「事実上の標準(デファクト・スタンダード)」があると、それと互換性がない製品やサービスは話題にしようがないのだ。
これは「全く新しい商品は売れない」というのと同じ話だね。
全く新しい商品というのは、どういう商品なのか全くわからないから、良いのか悪いのか判断が付かない。
どういう商品なのか想像ができないと、誰も手を出さないし、そもそも関心すら持たれない。
すでに存在している商品と互換性がない製品というのは、語ろうにも語れないというところか。
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